【動物看護師 大変】実際に働いて分かった「命の現場」の仕事とやりがい

「動物が好きだから、動物に関わる仕事がしたい」

そんな理由で
動物看護師という仕事に興味を持つ人も多いと思います。

私もそうでした。

小さい頃から動物が身近にいて、いつか動物病院で働きたいと思っていた私にとって
実際に動物病院で働けたことはひとつの夢が叶ったようなものでした。

でも、実際に働いてみると分かります。
「動物が好き」だけではできない仕事でした。

かわいい動物と触れ合う時間ばかりではありません。
忙しい診療。
緊張する処置。
入院している子のお世話。
飼い主さんへの対応。

そして、どれだけ頑張っても助けられない命と向き合うこともあります。

それでも私は
この仕事を経験できて本当によかったと思っています。

今回は、実際に動物病院で看護の仕事をした私が感じた動物看護の大変さとやりがい
そしてどんな人に向いている仕事だと感じたかをお話しします。

これから動物看護師を目指したい人や
動物病院で働くことに興味がある人の参考になればうれしいです。

※現在は「愛玩動物看護師」という国家資格があります。
私が動物病院で働いていた当時とは資格制度や業務範囲が異なるため、この記事では当時の私自身の経験を中心にお話ししています。


目次

子どもの頃から動物看護の仕事に憧れていた

私の家には、物心ついた頃からいつも動物がいました。

猫、犬、ウサギ、ハムスター、フクロモモンガ。
姉はフェレットを飼っていたし、父はハリネズミも飼っていました。

今思えば、なかなかの動物一家です(笑)

小学生の頃には母が動物病院で働いていたこともあって
「動物病院で働く」という仕事は子どもの頃から身近な存在でした。

自然と
「動物に関わる仕事がしたい」
「いつか動物病院で働いてみたい」と思うようになったんです。

高校卒業後は専門学校へ行くことも考えました。
でも学費を調べて、一度断念。

その時は諦めた夢でしたが
その後ご縁があり、実際に動物病院で働くことになりました。
憧れていた世界に入れた時は、本当にうれしかったです。

ただし。
中に入ってみたら、想像以上に大変な世界でした(笑)


動物看護師の仕事は「動物のお世話」だけではなかった

動物看護の仕事というと
「犬や猫のお世話をする仕事」というイメージを持つ人もいるかもしれません。

もちろん、それも大切な仕事です。

でも実際の動物病院では、それだけではありませんでした。

当時、私が働いていた病院では

  • 診察の準備や片付け
  • 診察時の保定
  • 検査の準備や補助
  • 薬の準備
  • 手術の準備や補助
  • 入院している動物のお世話
  • 食事や排泄の管理
  • 院内の清掃や衛生管理
  • 飼い主さんから症状や状況を聞く
  • 獣医師と飼い主さんの間をつなぐ
  • 在庫管理など病院運営に関わる仕事

など、本当にいろいろなことをしていました。

そして何より難しかったのが
相手が言葉で症状を説明してくれないこと。

「どこが痛い」
「いつから具合が悪い」
「こんな感じがする」
と、動物自身が話してくれるわけではありません。

だからこそ、飼い主さんから聞く情報も大切です。

先生に状況が伝わりやすいように話を聞いたり
逆に先生から説明された内容を飼い主さんが理解できているか気にしたり。

動物だけではなく、人とのコミュニケーションもかなり多い仕事でした。


実際に働いて感じた動物看護の大変さ

「動物が大好き!」
それは、この仕事をするうえで大切だと思います。

でも実際に働いてみて
好きだからこそつらいこともある仕事だと知りました。

① とにかく時間が足りない

動物病院って、飼い主さんから見ると
「診察時間に動いている場所」に見えると思います。

でも実際は、その前後もずっと動いています。

午前診療が始まる前には
入院している子のお世話。
食事。
排泄の確認。
散歩。
必要な治療や処置の準備。

午前診療が終わっても
検査や手術があったり、入院している子の様子を見たりします。

昼食?
食べた気がしない日もあります(笑)
この時間を利用して勉強会があったりもします。

そして午後の診療。
診療が終わったら、また入院している子のお世話や片付け。
「はい、診察時間終了!帰ろう!」とは、なかなかなりません。

緊急の患者さんが来ることもありました。
先生がそのまま病院に泊まり込むこともありました。

命を扱う場所なので
「営業時間が終わったから、今日はここまで」と簡単には区切れないことがあるんですよね。


② 保定は「ただ押さえる」仕事ではない

動物看護の仕事をしていて、かなり大切だと感じたのが保定です。

診察や処置を安全に行うために
動物が動かないよう支えます。

でも、ただ力いっぱい押さえればいいわけではありません。

動物は病院に来ただけでも緊張しています。
知らない場所。
知らない人。
知らない匂い。
さらに具合が悪かったり、痛みがあったりする。

当然、嫌がる子もいます。
暴れてしまう子もいます。
噛もうとしたり、引っかこうとしたりすることだってあります。

だから
動物を守る。
先生を守る。
自分も守る。

その全部を考えながら対応しなければなりません。

相手の様子を見ながら
「この子は怖がっているな」
「この持ち方は嫌がりそう」
「ここから逃げそう」
と先を読む。

体力だけでなく、観察力も必要な仕事だと感じました。


③ 動物が好きだからこそ、つらい場面がある

これは私にとって一番大きかったかもしれません。

動物病院に来た子が
みんな元気になって帰れるわけではありません。

治療をしても良くならないことがあります。

一生懸命頑張っていた子を
見送らなければならないこともあります。

これは何年働いても慣れるものではありませんでした。

昨日までお世話していた子がいなくなる。
毎日顔を合わせていた飼い主さんが泣いている。

そういう場面に立ち会うたびに
「命を扱う仕事なんだ」と強く感じました。

動物が好きだからこそ、つらい。

でも、だからといって毎回気持ちを引きずったままでは
次に来る子の看護ができません。

つらい気持ちを抱えながらも、次の仕事へ切り替える。
それも、この仕事の難しさだったと思います。


④ 飼い主さんとのコミュニケーションも重要

動物看護というと
どうしても動物だけを見る仕事に思われがちです。

でも実際には、飼い主さんと接する時間もかなりあります。

大切な家族が具合を悪くして病院へ来ています。
不安で当然です。

「大丈夫でしょうか」
「どうしたらいいですか」
「家では何を気をつければいいですか」
いろいろな質問があります。

そんな時、専門的な説明をするのは獣医師ですが
その前後で飼い主さんの話を聞いたり
気持ちを汲み取ったりすることも動物看護の現場では大切でした。

私はもともと世話焼きなので
この部分は自分に向いていたと思います。

動物のお世話をする。
飼い主さんの話を聞く。
先生が診療しやすいように動く。

いろいろな人や動物の間に入って動く仕事でした。


「命の現場」で驚いたのは獣医師たちの勉強量

動物病院で働き始めて、私が強く印象に残っていることがあります。
それが、先生たちが本当によく勉強していたこと。

診療で忙しい。
手術もある。
入院している子もいる。
それでも時間を見つけて勉強し、勉強会にも参加していました。

専門学校すら出ていない私からすれば
「獣医師になったら、勉強なんてもう十分じゃないの?」と思っていました。

でも全然違いました。
あたりまえだけど、医療は変わっていく。
薬も治療方法も、知識も増えていく。

そして目の前にいるのは命です。
「知らなかった」で済ませられない。

だから、ずっと学び続ける。

その姿を間近で見たことで
「命を預かる仕事」の重さを感じました。

現在の愛玩動物看護師も国家資格となり
動物看護の専門職として知識や技術が求められる仕事になっています。


それでも動物看護の仕事は「やりがい」が大きかった

大変なことをたくさん書きました。

でも「じゃあ嫌な仕事だったの?」と聞かれたら
答えは真逆です。

私はこの仕事が大好きでした。

具合が悪くて入院していた子が少しずつごはんを食べられるようになる。
ぐったりしていた子が立ち上がる。
退院の日、飼い主さんがうれしそうに迎えに来る。
その姿を見られた時のうれしさは、本当に大きいです。

昨日より少し元気になった。
今日はごはんを食べてくれた。
しっぽを振ってくれた。
そんな小さな変化がものすごくうれしい。

「元気になって、お家に帰ってほしい」
その気持ちは、先生もスタッフも同じでした。

忙しくても、みんなで一頭の動物のために動く。
その一員になれたことは、今でも大切な経験です。


動物看護師に向いているのは「動物好き」だけではないと思う

実際に働いた経験から考えると
動物看護の仕事は「動物が好き」だけで選ぶと
想像とのギャップが大きいかもしれません。

私が働いていて
「こういう人は向いているかも」と感じたのは、こんな人です。

  • 動物が好き
  • 動物の小さな変化に気づける
  • 人の話を聞くことができる
  • 周りを見ながら動ける
  • 汚れる仕事も苦にならない
  • 忙しい時でも優先順位を考えられる
  • 新しいことを学び続けられる
  • つらい場面でも仕事として向き合える

特に意外かもしれないのが
「人と関わる力」も必要ということ。

飼い主さん、獣医師、ほかのスタッフ。
チームで動く仕事なので、人とのコミュニケーションは避けられません。

私はこの仕事そのものは自分に合っていたと思っています。

一方で、その後いろいろな仕事を経験したことで
「仕事内容が好き」と「その働き方をずっと続けられる」は別なんだとも分かりました。

仕事内容だけではなく、職場環境や働き方まで含めて
「向いている仕事」を考えるようになった経験を書いています。


好きな仕事でも「自分に合う働き方」とは限らない

動物病院で働いた経験は、今でも私の中ではかなり特別です。

「もう一度やりたい?」と聞かれたら
仕事そのものについては、やりたい(笑)
それくらい好きな仕事でした。

でも40代になった今、同じ働き方をしたいかというと
それはまた別です。

忙しい現場。
体力が必要な仕事。
人との関わりも多い。

その後いろいろな仕事を経験して
私は「好きな仕事を選ぶこと」と同じくらい
自分が無理なく続けられる働き方を選ぶことも大切だと思うようになりました。

仕事内容が好きでも、職場環境まで自分に合うとは限りません。
私が転職を繰り返す中で考えるようになった「離れる基準」をまとめています。


今は「元・動物病院スタッフ」ではなく、ただの猫のママです(笑)

ちなみに現在。

自分の猫たちを動物病院へ連れて行く時
私は基本的にただの飼い主として行きます(笑)

現場を離れて長いですし、医療や制度も変わっています。

だから「昔、動物病院で働いてまして……」と前に出る必要はありません。

長男くん、次男くん、長女ちゃんのママとして
「先生、お願いします!」です(笑)

動物病院で働いたからこそ
今は余計にプロに任せられるありがたさも感じています。


まとめ|動物看護師は大変。でも「命に寄り添える」やりがいの大きな仕事だった

実際に動物病院で働いてみて分かったのは
動物看護の仕事は決して「動物が好き」だけでできる仕事ではないということでした。

忙しい。
体力も必要。
覚えることも多い。
人とのコミュニケーションも必要。

そして何より
助けられない命に向き合わなければならないこともあります。

それでも私は、この仕事を経験できて本当によかったと思っています。

元気がなかった子が回復していく姿。
退院する時の飼い主さんの笑顔。
みんなで「この子を元気にして家へ帰したい」と動いた時間。

大変だったことも含めて、今でも忘れられません。

もし今
「動物が好きだから、動物看護師になりたい」と考えている方がいるなら
かわいい動物に囲まれる仕事という部分だけではなく
命を預かる大変さも含めて知ったうえで目指してほしいと思います。

その大変さまで知って「それでもやってみたい」と思えるなら
きっとその気持ちは大切にしていい。

私にとって動物看護の仕事は
大変だったからこそ、やりがいも大きかった仕事。

そして今でも「やってよかった」と思える仕事のひとつです。

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