「地方に移住すると仕事がない」
そんな話を聞いたことがあっても
実際に引っ越すまではピンとこない人も多いと思います。
私もそうでした。
結婚を機に地方へ引っ越したのは39歳のとき。
それまで都会で何度も転職してきた私は
仕事探しについてそこまで心配していませんでした。
正社員にこだわっていたわけでもないし
大手の派遣会社にも何社か登録済み。
「まあ、何かしら仕事はあるでしょ」くらいに思っていたんです。
ところが、いざ仕事を探し始めてみると……。
あれ?思ってたのと違う。
地方に仕事がまったくないわけではありません。
ただ、39歳だった私が希望していた条件で探すと
都会にいた頃とは選択肢の数がまるで違いました。
今回は、都会から地方へ引っ越した私が実際に経験した仕事探しと
そこから働き方そのものを考えるようになるまでを振り返ります。
39歳で地方移住|事務職なら何とかなると思っていた
引っ越した当時、私が探していたのは事務職でした。
雇用形態への強いこだわりはなし。
旦那さんは会社員だったので、できれば生活リズムを合わせられるように
土日祝休み・フルタイムという条件で探していました。
これまでにも派遣社員として事務の仕事をした経験があり
大手派遣会社にも何社か登録していました。
だから直接雇用が難しくても
「最悪、派遣で探せば何とかなる」と思っていたんです。
都会にいた頃は、それで実際に何とかなっていました。
ところが地方へ引っ越してみると、この感覚が通用しませんでした。
ハローワークで言われた「難しい」の意味が分からなかった
引っ越して最初に利用したのがハローワークです。
まず自分で求人検索用のパソコンを使い
「これなら応募できそう」と思った求人を印刷。
それを窓口へ持っていき、条件などに問題がなければ紹介状を出してもらう。
私もいくつか気になる求人を見つけました。
もちろん、応募条件は確認しています。
年齢や経験、資格などを見ても
少なくとも求人票に書かれている条件から外れてはいません。
「これ、いいなと思ったんですけど」と職員さんに求人票を渡しました。
すると……
「ちょっと難しいと思います」と言われます。
別の求人を持っていっても、また難しい。
何件か続いたところで、私もちょっとイラッとしました(笑)
求人票を見る限り、応募できない理由が分からなかったからです。
そこで聞きました。
「何が難しいんですか?
採用条件には引っかかってないんですけど……
ほかにも条件があったりするんですか?」
すると職員さんから説明されたのは
求人票には書かれていない地域の仕事事情でした。
そもそも事務職の求人が少ない。
その少ない求人に応募が集まる。
そうなると、大々的に年齢制限を出しているわけではなくても
若い人が選ばれやすい。
そして「隣県なら、もう少し仕事は多いと思いますよ」とも言われました。
その話を聞いて「そりゃそうか……」と妙に納得してしまったんですよね。
「仕事がない」ではなく、希望する仕事が少なかった
ここは、今振り返ると大事だったと思います。
地方に仕事そのものがなかったわけではありません。
私の場合
- 事務職
- 土日祝休み
- フルタイム
- 39歳
- 自宅から通える範囲
こうして条件が重なるほど、選択肢が少なくなっていました。
ハローワークでも条件を少し下げ、探す範囲も広げてもらいました。
それでも、最終的に紹介してもらえる仕事は見つかりませんでした。
介護の仕事なら、と提案してもらったこともあります。
ただ、当時の私は介護の仕事をする自信がなく、お断りしました。
何でもいいから働ければいい、というわけでもない。
でも、自分が希望する仕事はなかなか見つからない。
ここでようやく
「あれ?思っていたより厳しいぞ」となりました。
大手派遣会社なら何とかなる……ならなかった(笑)
ハローワークで撃沈した私は、次に登録していた派遣会社へ連絡しました。
大手なら求人もたくさん持っているだろう。
今まで派遣で働いた経験もある。
今度こそ何とかなると思っていました。
ところが……ない(笑)。
紹介してもらえる仕事が、なかなかありません。
そこで今度はネットで求人を探し
気になるものへ自分で応募するようになりました。
まずは数件応募。
でも、なかなか面接まで進めない。
やっと面接まで進めても、不採用。
これが続くと、やっぱり凹むんですよね。
最初は
「地方だから求人が少ないんだ」
「年齢もあるのかな」
なんて考えていました。
でも途中から、別の問題にも気づきました。
「私を雇うメリット……なさすぎ問題」です(笑)。
39歳。
これまで仕事はいろいろ経験してきた。
でも「これができます」と強く言える専門性があるわけでもない。
資格がたくさんあるわけでもない。
長く積み上げてきたキャリアがあるわけでもない。
愛嬌だけはあるんですけどね(笑)。
求人に応募しているほかの人が経験やスキルを積み上げてきた人だったら
私は何を武器に選んでもらえばいいんだろう。
地方での仕事探しは
自分が持っているものまで考えるきっかけになりました。
「あれ?私、初期装備のままじゃない?」
39歳にして、ちょっと焦りました(笑)
直接雇用はいったん諦めて、仕事探しの範囲を広げた
何度も不採用が続くうちに、すっかり自信をなくした私は
直接雇用をいったん諦めました。
そして、大手だけではなく地元密着型の派遣会社にも登録。
事務職だけに絞らず、つなぎのつもりで倉庫内作業をしたこともあります。
ただ……。
1日立ちっぱなしは、おばさんの身体にはこたえました(笑)
もちろん倉庫作業が悪いわけではありません。
実際に仕事が見つからない時期の収入にもなりました。
ただ、私には長く続ける働き方ではないなと感じました。
一時的に条件を広げることと
「これから先も、この働き方を続けたいか」は別なんですよね。
その後、今度はそこまで規模の大きくない派遣会社へ登録しました。
そこでようやく、希望していた事務職に就くことができました。
同じ派遣事務でも、時給の違いに驚いた
やっと事務職に就けた。
これは本当にうれしかったです。
ただ、もうひとつ都会との違いを感じたのが時給でした。
結婚前、私が派遣で事務をしていたときは時給1,450円ほど。
地方で見つかった派遣事務は、時給1,000円でした。
もちろん勤務先も仕事内容も違うので
単純に比較できるものではありません。
それでも私自身は
同じ「派遣の事務職」として働いていて、この差を大きく感じました。
給料日になると「……少なっ」って(笑)
仕事は見つかった。
希望していた事務職にも戻れた。
それでも「仕事が見つかったから、これですべて解決」とはなりませんでした。
やっと仕事が決まった頃、今度はコロナ禍になった
その頃、世の中は新型コロナウイルスの影響を受け始めました。
幸い、私はすぐに仕事を失うことはありませんでした。
ただ、働いていたのは現場事務。
もともと現場が終われば契約も終わる仕事です。
だから「ここが終わるまでに次の仕事を探しておかないとな」とは考えていました。
ところがコロナ禍になり
ただでさえ苦戦した仕事探しが、さらに厳しく感じるようになりました。
地方へ引っ越して仕事を探し
やっと見つけて、その仕事にも終わりがあって、また次を探す。
そのとき、ふと思ったんです。
「私、この先もずっと仕事に合わせて生活するのかな」
転職するたびに求人を探して、応募して、採用されるかどうかを待つ。
環境が変われば、また仕事探しから始める。
もちろん会社に勤める働き方には
安定した収入をはじめたくさんのメリットがあります。
でも私は、今後また何かあったとき
仕事を変えたり辞めたりしなくてもいい働き方はないのかな
と考えるようになりました。
そこから少しずつ【自分で稼ぐこと】
そして【在宅で働くこと】に目が向くようになりました。
地方移住をきっかけに始まった仕事探しは
いつの間にか「次はどこで働く?」ではなく
「私はどう働きたい?」を考えるところまで来ていました。
働き方そのものを見直すようになった経緯は、こちらの記事でも詳しく書いています。

40代だからこそ「何のために働くか」を考えてもいい
39歳で地方へ引っ越して仕事探しに苦戦したとき
私はかなり自信をなくしました。
今まで仕事には困らなかったのに、応募しても面接まで進めない。
ハローワークでも紹介してもらえない。
派遣会社にも仕事がないと言われる。
そのときは「地方だから?」
「もうすぐ40代だから?」と、外側に理由を探していました。
もちろん、求人数や地域差など
自分ではどうにもできないこともあります。
でも同時に、自分自身について考えるきっかけにもなりました。
私は何ができるのか。
何を積み上げてきたのか。
これから何を身につけたいのか。
そして何より、何のために働くのか。
40代って、このあたりを一度考えてみるには
いい時期なんじゃないかと思っています。
これまで働いてきた経験がある。
自分が何をしんどいと感じるのかも、昔より分かっている。
何をしているときが幸せなのかも、なんとなく分かってきた。
それでも、新しいことに挑戦する体力や気力はまだある。
地方で仕事が見つからなかった私は、結果的にそこから働き方を考え直し
未経験だった在宅ワークにも挑戦しました。
未経験から在宅ワークを始めたときに感じたことは、こちらの記事にまとめています。

まとめ
「仕事がない」で終わらせず、探し方と働き方を見直した
都会から地方へ引っ越した39歳の私は
「事務職なら何とかなる」と思って仕事探しを始めました。
でも実際には、希望する事務職そのものが少なく
ハローワークでも紹介してもらえない。
大手派遣会社にも仕事がない。
応募しても落ちる。
そこで地元の派遣会社まで範囲を広げ、つなぎで倉庫作業もしながら
最終的には派遣の事務職を見つけました。
だから私の経験だけを見ても
「地方には仕事がない」とは言い切れません。
ただ、都会にいた頃と同じ条件、同じ探し方では
うまくいかなかったのは確かです。
だから仕事が見つからないとき
一時的に条件を広げることも私はアリだと思っています。
私自身、それで倉庫作業も経験しました。
でも、条件を広げることと、ずっと我慢する働き方を選ぶことは別。
ここは分けて考えてもいいんじゃないでしょうか。
仕事がないから。
40代だから。
地方だから。
そうやって選択肢を狭める前に
「じゃあ私は、これからどう働きたいんだろう?」と考えてみる。
私の場合は、地方で仕事探しに苦戦したことが
そのきっかけになりました。
39歳で「あれ?私、初期装備のままじゃない?」と気づいた私でも
そこから新しい働き方を始めることはできました。
仕事に自分の生活を合わせ続けるのか。
自分の生活に合う仕事を探すのか。
それとも、自分で働き方を作っていくのか。
地方へ引っ越したことで仕事の選択肢はいったん狭くなったけれど
私はそこで初めて「どこで働くか」以外の選択肢を考えるようになりました。
40代は、まだまだ途中です。
……とはいえ。
愛嬌だけで乗り切ろうとするのは、そろそろ卒業します(笑)

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